UiPath社、JALの特例子会社のJALサンライトにおける業務自動化を支援

2021年2月25日

~現場スタッフ自らがワークフロー開発を行い、さまざまな業務を効率化~

東京発2021年2月25日 - ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation 以下「RPA」)ソフトウェアにおけるリーディングカンパニー、米UiPath(ユーアイパス)社の日本法人であるUiPath株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:長谷川康一、以下「UiPath社」)は、株式会社JALサンライト(本社:東京都品川区、代表取締役社長:宮坂久美子、以下「JALサンライト」)が、RPAプラットフォーム「UiPath」を導入、現場スタッフ主導によるワークフロー開発を推進し、さまざまな業務を効率化したことを発表しました。

JALサンライトは1995年に設立、日本航空株式会社(以下「JAL」)の障害者雇用促進法の特例子会社としての認定を受け、従業員464名のうち213名が障がい者で、聴覚障がい者、肢体不自由者、視覚障がい者、知的障がい者、精神障がい者など、さまざまな人たちが、JALが行う業務を請け負っています。

JALサンライトでは、親会社であるJALが、働き方改革のひとつとして業務効率化・自動化を目的にRPAを導入したことをきっかけに、JALサンライトがJALから受託する業務の効率化を目指し、2019年に同社の収入管理センターで行う業務にEUC(※1)としてUiPathの導入を開始しました。収入管理センターは、JALが収入会計を行うための航空券処理業務を担っており、通常時(※2)は1日に10万件以上の航空券の処理が行われます。うち、システムで自動処理できない航空券は、担当者の目と手作業による確認・修正作業が発生します。UiPathの導入決定後、同年5月に現場スタッフ10数名が、オンライン学習サービスの「UiPathアカデミー」でのトレーニングを受講、6月ごろから各現場スタッフ自ら収入管理業務に関するワークフロー開発を行い、自動化・効率化を進めました。

※1. EUC: End User Computing

※2. 通常時:コロナウイルス感染症がまん延する以前

これまでJALサンライトでは、以下のような業務自動化に取り組んでいます。

1.国内発売報告審査業務の自動化

国内発売報告審査業務は、空港等で発券されたすべての航空券が「発売報告」として正しく報告されていることを審査する業務です。従来は、空港で使用している予約発券システムから紙面で出力された発売報告書を一つ一つ人の目で見て審査していました。確認すべき発売報告書は、毎日300カ所超の事業所から、日によって1,000ページ以上になることもあります。今回、UiPathで開発したワークフローによって、空港で使用している予約発券システムから収集したデータから自動処理が行われていない航空券、すなわち、人の目で審査が必要な航空券データのみを抽出し、収入管理システムから出力されたCSVデータと照合する業務を自動化しました。これによって、審査対象となる航空券はロボットが抽出し、ロボットでは判断のできない高度な判断が必要な処理だけを人間が行う形にし、毎月360時間程度を要していた業務の所要時間を約5分の1に短縮しました。

2.余剰券審査業務の効率化

フライトイレギュラーが発生した際に、お客様に他の輸送機関でのご移動をお願いすることがあります。他の輸送機関をご案内したお客様の航空券は空港にてシステム上で無効化処理を行い(無効化処理された航空券を「余剰券」と言う)、余剰券は空港から収入管理センターに送付されます。無効化処理は余剰券以外でも行われることがあるため、予約発券システムから無効化処理された航空券データを抽出し、そのデータの中から余剰券のみをRPAで自動的に抽出し、収入管理センターに送付されてきた余剰券と照合する審査業務もJALサンライトが行っています。従来は、送付されてきた余剰券一つ一つを予約発券システムにて手作業で確認しており、毎月4時間程度要していましたが、RPA開発により処理時間を約3分の1に削減することができました。

3.MISC被請求インボイスのダウンロード業務

航空会社は、乗継旅客・貨物の搭乗/搭載に関して他航空会社との精算を行います。それ以外にも、グランドハンドリング受委託やハンガー賃借などの精算も含めてまとめて航空会社相互での精算を行うBSP(Billing & Settlement Plan)という仕組みがあります。旅客・貨物以外の精算はMISC精算と呼ばれていますが、JAL社内で多くの部署が関係しており、それぞれの部署に必要な精算明細を提供する業務も収入管理センターで担当しています。精算に関する明細は専用Webサイトでダウンロードすることが可能ですが、データを取得するためには専用Webサイトにてダウンロードリクエストを投入して、登録しているメールアドレスに送付されるURLから1件ずつダウンロードする必要があります。ひとつのデータ取得作業は1分もかからず完了しますが、毎月約280件のダウンロードが必要で、従来は30分以上の時間を要していました。RPAによる自動化を実現したことにより、約4分の1の時間で処理を完了することができました。

ほかにもJALサンライトは、現在までに約30のワークフローを開発しています。その中には、毎朝の出社時に会議室を予約するという簡単なものから、特例子会社ならではのワークフローもあります。視覚に障がいがある社員がPCでの業務を行うために、PC画面の文字を起こすためのスクリーンリーダーソフトを使用していますが、業務システムによっては、これが使えないものもあります。これらの業務システムに対して、スクリーンリーダーソフトと親和性の高いExcelをユーザーフロントとして、UiPathがExcelと業務システムの連携機能を担うことで、業務システム画面項目をスクリーンリーダーへのインプット・アウトプットする機能を実現することで「人の目」の役割を果たすこともできました。

JALサンライトでは、IT技術者でない現場スタッフ自らがUiPathを使ってワークフロー開発を行っています。スタッフ相互で開発をサポート、または、アイデアを共有するための場として「ロボット研究会」と呼ばれる会議を開催しています。ロボット研究会では自ら開発したRPAの紹介、開発における疑問点やアイデアなどを共有しています。これによって、IT技術者でなくてもワークフロー開発を成功裏に進めることにつながっています。UiPathによる業務自動化は、業務時間の削減のような直接的な効果だけでなく、ミスの防止や、担当者変更時の業務引き継ぎの簡素化など、二次的な効果ももたらしています。JALサンライトでは、障がいの有無にかかわらずスタッフが最新の技術を取り込みながら、今後もさらなる業務の効率化に取り組んでいます。

本事例の詳細は下記でも公開しています。

https://www.uipath.com/ja/blog/corporate/customer-story-jal-sunlight

以上

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