2019 年 4 月 10 日、UiPath の AI 部門のバイスプレジデント (VP) である PD Singh は、Google Next で「AI デプロイの時代における繁栄 ( Thriving in the Age of Deployed AI" presentation)」を発表し、AI ファブリックのビジョンについて明らかにしました。この期待に満ちたアナウンスメントについての詳細をお伝えします。
昨年は、ロボティックプロセスオートメーション (RPA) 業界にとって非常に重要な年となりました。RPA は、歴史的にも稀な成長を遂げ、お客様やアナリストの心を掴みました。
この成長の理由は、RPA のもつ他に類を見ない価値にあります。RPA は、きちんと定義された規則性をもつ業務タスクであれば、ローコードで簡単に実装できるのです。RPA の登場によって、お客様は実社会の業務課題をたちまち解決し、RPA 投資に対するリターンを極めて短期間で実現することができました。
しかし、よくあるケースですが、成功すると、人々の期待は高まり、「次は何が登場するのだろう?」と考えるようになります。
この RPA を取り巻く高揚感が後押しをし、お客様のおかげでテクノロジーにおける自動化機能の発展が進み、RPA による驚異的な成果があげられてきました。
それと同時に、より複雑なタスクを RPA 単体の力で自動化するには限界があることが明らかになりました。RPA は、スプレッドシートの構造化データ (定型的に扱えるデータ) とシームレスに対話し、ラインオブビジネス (LOB) アプリケーションの自動化を行うことができます。しかし、高度な認知的プロセスを RPA で自動化するには課題があります。認知的プロセスの例としては、消費者が債務不履行に陥る確率の算出や、患者が再入院するリスクの予測等のプロセスがあります。
オートメーションジャーニーの次の段階に進むに伴い、多くのお客様は、最近再び脚光を浴びているもうひとつのテクノロジーである、人工知能 (AI) の可能性を模索し始めました。
AI の再来によって、お客様が今まで見たことのないような自動化が実現する可能性がもたらされました。AI の技術があれば、お客様はロボットを使い、次のような驚くべきことを成し遂げることができます。
人間並みの正確さで画面上の画像を認識
数百万枚もの請求書から重要な情報を抽出し、支払管理システムに入力
音声およびテキスト入力の自然言語を理解し、カスタマーサービスに寄せられる問い合わせを即時に解決
お客様は、AI がビジネスにもたらしうる無限の可能性に気づき始めました。
しかし、実際のところ、それは単なる「可能性」でした。AI を取り入れて実社会の問題を解決できるようにするには課題が山積みでした。事実、これほどの盛り上がりがこのテクノロジーを取り巻いているにも関わらず、 Gartner の推測によれば、AI の導入に成功している CIO (最高情報責任者) は全体のわずか 4%です。
では、これほどまでに期待されている RPA と AI という 2 つのテクノロジーを完全に連携させれば、高度なインテリジェントオートメーションの新時代を到来させるという皆が抱く未来を実現できるのではないでしょうか。
昨年、弊社のお客様に、同様の問いかけをしました。
すると、RPA と AI のシームレスな連携を妨げる 3 つの障壁があるということが分かりました。オペレーション、テクノロジー、そしてプロセスです。
まず初めに、オペレーションにおいて、ロボティックオペレーションセンター (ROC) とデータサイエンスチームは、異なるスキルセット、専門分野、そしてビジネスプライオリティを有する縦割り組織として存在しているため、大抵この 2 つはそれぞれ独立しています。
次にテクノロジーの観点から見てみると、RPA 開発者は RPA プラットフォームを使用して、ワークフローの構築、デプロイ、管理をしています。その一方、データサイエンティストが使用しているのは、専用の AI/機械学習 (ML) モデリングツールです。双方の使用するツール、パイプライン、テクノロジーには全く繋がりがありません。
最後に、RPA と AI は、別々のプロセスとして管理されています。AI モデルの導入を試みる場合、そのモデルが正しい出力を行っているのか、またそのモデルがアップデートされているのかどうかについては ROC は関知しません。しかし、そのモデルが正しく使用されているのかどうか、そしてそのモデルがどれほど実用的なものなのかについてはデータサイエンスチームが関知することはありません。このため両者は根本的に分断され、本来共存しうるはずの RPA と AI の関係を大きく損なっています。
つまり、RPA と AI は別々の縦割り組織として存在しているのです。自動化を実現するための、両者の自動化における潜在能力を真の意味で最大限に引き出すには、先に述べたような障壁を打ち砕き、RPA のシームレスな実装と AI の無限の認知能力を統合する必要があります。
本日、これら 2 つの世界の架け橋となる UiPath のビジョンをお伝えできることを光栄に思います。それはUiPath AI ファブリック です。
AI ファブリックによって、RPA とデータサイエンスチーム間の障壁は打ち砕かれ、現在 RPA で自動化されているどんなソフトウェアに対しても、お客様は即座に AI の無限の認知能力を適用できます。
シームレスにドラッグアンドドロップで操作できるインターフェースによって、RPA のワークフロー内へ AI モデルを即座にデプロイ可能です。UiPath Robots をデプロイするのと同じくらい簡単に AI をデプロイできます。
60 以上の AI テクノロジーパートナーの協力をもとに、UiPath によって開発された AI モデルを運用化可能。お客様のデータサイエンスチームが構築したカスタムモデルを使用することもできます。
モデルのバージョン管理およびアップデートがエンドツーエンドで可視化されます。RPA チームは、モデルがいつアップデートされたかを把握でき、データサイエンスチームは、モデルが本番環境でどのように使用されているかを把握できます。
高度なモデル管理およびモニタリングを通して、モデルパフォーマンスおよび影響を分析することができます。
RPA と AI のデータのフィードバックループを閉じることで、時間とともに AI モデルが継続的に改善されます。
UiPath AI ファブリックによって、自身の AI モデルを UiPath Orchestrator 内でデプロイおよび管理し、UiPath Studio 上で RPA ワークフロー内にそのままドラッグアンドドロップできるようになります。
AI と RPA は 1 つとなり、皆様の オートメーションファースト ジャーニーを加速させます。
今後数か月にわたり、AI ファブリックの情報をさらにお届けします。2019 年第 3 四半期にはプライベートプレビューの公開も予定しています。
それまでの間、弊社の次のウェビナーである「AI で RPA 戦略を強化する方法 ( How to Supercharge your RPA Strategy with AI )」 に是非ご参加ください。ここで AI ファブリックについてさらに学び、AI が ロボティックプロセスオートメーションをどのように変革しているかについて、UiPath の AI 部門のバイスプレジデント (VP) である PD Singh から お聞きください。
Director Product Management Machine Learning, UiPath
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