年1回の定期開催「 UiPath Friends Festivalは、UiPathユーザーコミュニティの中でもっとも大きな祭典です。今年度は11月18日(土)に、東京と福岡の2拠点で同時開催。なんと参加者の半数以上が初参加となりました。
セッションは「市民開発&社内コミュニティ推進」「グローバルハッカソン」などの新しいテーマもあり、さらにライトニングトークでは、過去最高の12名が登壇するという試みも。例年以上に賑わいました。本記事では当日のセッションの中から一部抜粋してご紹介します。
午前中はパネルディスカッションから。テーマは「さらに躍進しよう!UiPathユーザー企業で働く国内外で活躍する女性から学ぶキャリアの在り方」です。
パネリストは、kinさん、ますみさん、Misaさんの3名です。まずモデレータを務めるUiPathの村上からMisaさんに「メンバーをまとめる上で、やりがいを感じるのは、どんな時?」と質問。
企業でエグゼクティブアシスタントとして勤務しながら、社内のワークライフバランスコミッティーのリーダーとして、より良い職場環境づくりに奔走中のMisaさんは、「チームが協力し、目標に向かって進んでいる様子を見るたびにやりがいを感じます。所属部署・バックグラウンド・国籍も様々なメンバーが従業員を代表し、みんなが働きやすくワクワクと過ごせる環境づくりに一丸となって取り組む。そして信頼関係を築き、人と人とを繋いでいく。これがリーダーの魅力だと思います」と回答。
続いて製薬会社にMR(医薬情報担当者) として入社後、2020年からIT部門で全社RPA推進プロジェクトリーダーを任されたというキャリアを持つますみさんには、「リーダーの活動に役立っている経験とは?テクノロジーはどんな役割を果たしている?」という質問。
ますみさん曰く「もともとユーザー側でRPAを使っていたので、RPAを推進する側にいながらユーザー目線を持てること、特にRPAに興味を持ち始めた頃にプロジェクトリーダーになったことは非常に役立っています。」ますみさんたちのRPA推進プロジェクトは「全社推進体制改革編」「CHUGAI RPAの取り組み編」「人財育成編」と3つの動画を制作しYouTubeで配信中とのこと。ぜひ以下からご覧ください。
現在、社内でRPA推進活動中かつUiPath Friendsの運営リーダーを務めるkinさんは、過去に2回の転職経験があり、特に最近60歳で新たな企業に就職したばかり。「これまでのキャリアの中での気づきや時代の変化、次世代へのアドバイスを!」と村上。
kinさんは「特に伝えたいのは2つ。私はUiPath Friendsに出会って、積極的に情報発信するようになりました。その経験から重要だと感じたのは、発信することで自分が理解していないことに気づけること。これこそリスキリングですね。もう1つは、わからないことがあっても一人で悩まないで!ということ。仲間をつくって学びあっていただきたいですね」
最後は村上から、日本で取り組んでいる女性活躍推進活動「Women at UiPath」について紹介。「Women at UiPath」は、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みとして、「ネットワーキング」「自己実現」「相互支援」という3つの視点で、女性向け社内コミュニティ活動、UiPath Friends女子部とコラボして、オートメーションをきっかけに輝く女性を増やすWomen in Automationの活動を推進します。
セッションの最後は「1人でも多くの女性が、社内外のコミュニティでキラキラと輝いてほしい!」という言葉で締めくくられました。
ランチタイム後は、Kinさん、やくらさん、きたむらさんの3名による基調講演から。それぞれのUiPath Friendsへの参加のきっかけや活動を通して得たものや影響を受けたものというテーマで、熱い想いを語りました。
▼まずはkinさんからスタートです。
コミュニティとともに進み、そして成長!
kinさん「これまで人生で2度の危機をUiPath Friendsによって救われました。1度目ははじめての転職時、突然RPAのプレゼンをすることになって困っていた時。2度目は定年退職で転職先を探していた時。どちらもUiPath Friendsのご縁に救われました。それで、私のように救われる仲間を増やしたい!と運営リーダーへ立候補。製品や推進に特化した小規模な勉強会としてサークル活動の活発化、女子部イベントの定期的開催、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に尽力しています」
▼2番目は、SIer勤務のアーキテクト・プログラマーで、UiPath Japan MVPとして現在2期目の活動中のやくらさんです。
発信活動を通じた自己成長の実感
やくらさん「現在、社内外に積極的に情報発信をしていますが、積極的なアウトプットのきっかけは私自身のキャリアの行き詰まり感でした。自分の成長の壁を打破するには社外への発信の必要があるとブログ発信をはじめMVPにも挑戦。その結果、社外の知り合いや新しい知識が増え、MVPの肩書きも業務に活かせたり、会社での評価が上がったりと良いことがありました。皆さんもコミュニティに積極的に参加してください。コミュニティが大きくなれば学びももっと大きくなります!」
▼3番目は、新しいものが得意だというSIerで、UiPathの導入・展開の支援をしているきたむらさんです。
アウトプットでゲットできたこと
きたむらさん「アウトプットを積極的に行うようになってゲットできたことは3つあります。1つめは自分のアハ体験。アウトプットのために自分の考えを整理しようとすると、必ずアッと思うような気づきが生まれます。もう1つは、自分が発信したことについて、周囲からダイレクトにフィードバックをもらえること。そして3つめが、友だちが増えたこと。まさにUiPath Friendsの仲間ができたことは一番大きいですね」
UiPath Friendsへの参加で、変わったこととは
3人それぞれのストーリーが語られた後は、UiPath Friendsに参加したことによって、どのような変化があったのかについても盛り上がりました。では、それぞれの変化をご紹介します。
Kinさん「大勢友人ができてプレゼンする機会も多く、今では人前で話すことが怖くなくなりましたね」
やくらさん「自分の仕事だけだと視野が限られますが、コミュニティには、いろんな立場の方がいてるので良い刺激を受け、知識の量や見る視点も変わってきて仕事の幅が拡がりました」
きたむらさん「友だちがたくさんできましたね。オートメーションというくくりでUiPath推しという、“推し友”ができたのは嬉しいです。コミュニティでなら“AI”など最新の話題もいくらでも語り合えます(笑)」
モデレータは、今年から市民開発の推進役を担当しているというyhakiaiさんです。2022年7月からコミュニティ運営に参加しています。ぜひとも社内コミュニティ活動の先駆者から学び、知見を共有したいと、このセッションを企画しました。
スピーカーは3名。メカニカルエンジニア出身で、福岡県でDX推進と品質保証の担当をしているヤンマー建機株式会社のSteve田中さん。2022年から社内でRPA事務局の業務を担い、社内用ChatGPTやクラウドデータ分析基盤なども幅広く担当しているジヤトコ株式会社 あまのさん。そして約1年前からUiPathの市民開発に携わり、StudioXの研修事務局としてStudioXの開発に日々奮闘中の、にしこさんです。
スピーカーそれぞれの自社内の取り組み内容を紹介された後、市民開発を社内で推進する工夫や、業務と並行してどのように市民開発の時間を捻出するかなど非常に重要なポイントについてディスカッション。本記事では、「市民開発を推進する工夫」をご紹介します。
Steve田中さん「Studio禁止令を出し、StudioXのみを使うようにしました。なぜなら、Studioを使うとどうしても凝り出して難しくなってしまうから。プロ開発にはいいですが、市民開発では逆に使わないことがポイントです。そして全員がデータ活用推進者になれるよう、社内コミュニティを立ち上げ裾野をひろげる活動を行いました。また社内だけではなく、社外のコミュニティに出て情報を取ってくる、さらにコミュニティ同士をつないで更なる化学反応を起こしたいです」
あまのさん「いくつかある中の1つですが、とにかく負荷分散がポイント。当初、専属の推進員3人体制から、他業務も行う事務局2人体制に変え、 各部署でRPA活動を推進する上級者: TL(テクニカルリーダー)を40人以上増員。それぞれに役割分担を行い、さらにRPAサポート窓口を開設し、問合せを集約しアウトソース化しました。またkintoneの市民開発の社内コミュニティとも連携してともに盛り上げるようにしていきました」
にしこさん「全社的な市民開発の拡大にともないRPA推進者が“推進”と“保守”の両方を担って負担が大きくなってしまったので、RPA管理者を新たに立てました。保守をみる管理者には、開発スキル・ガバナンス・業務の知見という視点でシニア人材を抜擢。リスキリングにもなり、お互いに非常によい効果をだしています」
上記アイデアはほんの一部分。他には、「市民開発を行うときの開発時間の捻出方法」「社内コミュニティづくりでの工夫している点」など、市民開発・社内コミュニティを成功させるポイントが語られました。ご興味のある方は、イベント全編を配信中です。ぜひご覧のうえ、参考にしてください。
第5期となるUiPath Japan MVP2023表彰式では、新規認定者1名と、更新認定者7名が表彰されました。
MVPプログラムとは、公募制認定のプログラムで、2019年にスタート。UiPathコミュニティにおける情報発信や日本全体にオートメーションを拡げる活動をする方々の中で、顕著に活躍されている優れたプロフェッショナルを、UiPath公式のUiPath Japan MVP(Most Valuable Professional)として認定し、毎年10月から1年間活動していただきます。
今年からMVPに「発見」「自動化」「運用」「CoE」などテクリカルカテゴリを新設。MVPの皆様には、それぞれの得意分野を中心に活躍していただきます。
新規認定者は、「きたむらさん」こと北邑勇樹さん。2017年から社内SEとしてUiPathの社内導入や業務効率化に貢献。現在はSIerでお客様への導入支援をしています。現場で培った自動化推進の知見とオートメーションの価値を日本全体へ伝播されました。では、受賞のライトニングトークをご紹介します。
きたむらさん「MVPとしてのビジョンは、現場で頑張るRPAデベロッパーたちと共に成長し、自動化を前に進めることです。私自身が社内SEからRPAデベロッパーにキャリアチェンジし、そこからキャリアの枠を拡げていった経験があるからです。ただそこで満足するのはもったいない。役割分担は重要ですが、役割を越えて価値を届けてもいい、チャレンジしてもいいじゃないかと考えています。自身の発信のみならず、眠れる才能を持つ方をLTに引っ張り出す、またRPAデベロッパーのキャリアについて座談会を企画していきます。現場のRPAデベロッパーと協力してAIを味方にしてどんどん可能性の枠を拡げていきたいです。」
2022年からの更新認定者は、塩見潤さん、末武陽一さん、眞鍋忠喜さん、宮城晋二さん、森田唯さん(写真右上)、矢倉峻さん、吉田将明さんの以上7名です。
ライトニングトーク後は、プレゼンターを務めたUiPathの執行役員 テクニカルサポート本部 本部長の滝本が挨拶を述べました。「私は2017年入社時からテクニカルサポート一筋でやってきましたが、毎日ユーザーの皆様から学びや発見をいただいています。本日もクオリティの高い発表に驚きの連続でした。UiPath自体は開発ツールです。ユーザーの皆様の情熱、想像力と重なると、無限の価値を生み出せると感じています。ユーザーの皆様の存在が、私たちの誇りであり財産です。皆様の創造性を形にするお手伝いをこれからも頑張って参ります。おめでとうございます!」
MVPに続いて表彰するのは「UiPath Friends Lovers」です。UiPath Friends運営メンバーの中から、「リーダーシップを発揮し、自主性、積極性、情熱をもって行動を実践し、コミュニティの成長と発展に多大なる貢献をいただいた方」を表彰します。初受賞は2名です。
1人目は、「yhakiaiさん」こと吐合由多加さん。yhakiaiさんは、2022年6月より運営メンバーとしてライトニングトークや運営に積極的に参加。今回も市民開発&社内コミュニティ推進トークを企画するなど、自らのチャレンジを学びに変え、周りにも還元される行動力を発揮されました。
yhakiaiさん「今年はDiscordの立ち上げに取り組んだり、市民開発のセッションリーダーをしたり、貴重な経験ができました。皆さん、ありがとうございました」
2人目は、「やまさきあさん」こと山﨑麻子さん。イベントでは司会やライトニングトークを担当し、女子部主催の勉強会でも資格取得のナレッジ共有や運営に積極的に参画。日常的にX(Twitter)を活用した情報発信では、UiPathユーザーでない方にも認知されるほどの活躍をされています。
やまさきあさん「運営に参加した当初、皆さんに優しくしてくださって、だんだん自分の良さを出して活躍できるようになりました。この賞は、関わってくださった皆さんのおかげでいただけたと思っています。本当に嬉しいです」
続いて、継続受賞で殿堂入りされた方の表彰です。
1人目は、「さおさん」こと田北沙織さんです。コミュニティ運営への積極的な参画とUiPathへの学習・発信の努力の継続性においては右に出る方がいません。今夏の「ブログ発信チャレンジサマー」では唯一の31日連続発信も達成され、全体投稿数の底上げとイベントの盛り上げに貢献していただきました。
さおさん「昨年に引き続き、受賞できて嬉しいです。コミュニティは私のライフワークになっているので、来年もいろいろ新しいことにチャレンジしていきたいです。ぜひ皆さんも一緒にコミュニティでチャレンジしていきましょう」
2人目は、「みるくぱんさん」こと堀内美沙さん。2年連続でグローバルコミュニティでも積極的に活動し、得た情報を惜しみなく日本のユーザーにも提供。UiPath Friendsのもくもく会に積極的に参加され、自分だけでなく初参加者の成長にも積極的に貢献されています。
みるくぱんさん「UiPath Friendsの魅力は、何度でも来たくなる場所です。運営にいると、いろんな会社の方、立場の方とかかわりができて楽しくて、ついまた来てしまうんですね(笑)。これからも参加しますので、新しい方も一緒に盛り上げて行きましょう」
最後には、UiPath株式会社 代表取締役CEOの長谷川よりメッセージで表彰式を締めくくりました。
「世界のUiPathユーザーコミュニティの中でも、日本が最も盛んで熱気があり、みなさまと一番つながっていると確信しています。AIを搭載したオートメーションをはじめ拡大しているUiPathのテクノロジーを、皆様にどんどん活用していただきフィードバックをいただき、より良い製品・ソリューションを届けていきます。Forward VI ラスベガスでは日本から3名の方に登壇いただきました。「日本の自動化を世界へ、日本から世界へ」を合言葉にしています。来年はもっと多くの方にグローバルで発表いただき、皆様と一緒に日本を元気にし、そして世界へとつながっていくのを期待しています」
本記事でご紹介できなかった当日の様子は、ぜひこちらからご視聴ください。毎年人気のテック三昧もこちらからご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=nNtXLFh2KW0
UiPath Friendsは、ユーザー主体のUiPath公式ユーザーコミュニティです。UiPathに関する技術交流や勉強会を行い、UiPathユーザーの技術力向上に寄与していきます。2023年11月現在、すでに参加者は2,600名を越えました。ユーザーの皆様が中心となって、トコトン楽しむことによりユーザーも企業も成長できるコミュニティです。ぜひ、下記からご参加ください。
Japan, UiPath
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