UiPathユーザーコミュニティ最大の祭典「UiPath Friends Festival」を、11月30日(土)に開催しました。
UiPath Friendsは、UiPathユーザー有志によって運営される非営利の公式コミュニティ。2024年現在、とうとう登録者数が2,800名を超えました。第5回目となる今年は、グローバルからのオンライン登壇も含め約50名が登壇しました。本記事では、当日の基調講演はじめいくつかのセッションと表彰式の様子を一部抜粋してご紹介します。
パネリストにオンライン参加のYuiさん、れごさん、UiPathの早坂の3名を迎えた、パネルディスカッション。毎年行われる「自動化プロフェッショナルの実態調査」の結果レポートを読み解きながら、キャリアについて語り合いました。
▼トークテーマ1/キャリアを通しての、やりがいや成果は?
自社でUiPathを導入して市民開発者を育成するための様々な企画を社内で推進しているYuiさんは「RPA黎明期には、全社にひろめられるか不安や不確定要素がありました。でも、『助かった』『劇的に業務が変わった!』という現場の声が、すごく力になりました。さらに小さなチームでの活動が、今はグループ全体の基盤づくりと立ち位置が変わったことで、推進だけではない難しさもありますが、それもやりがいにつながっています」。
ユーザー系企業で業務DXのソリューションとしてRPAを推進している、れごさんは「当初はITに詳しくない方も多く、業務課題の咀嚼から一緒に話をしながら自動化するのが中心でした。今は市民開発にシフトして、自動化が業界全体にひろがっているのを業務レベルで実感しています。ユーザーから感謝されることが自分自身の活力になって、次の業務課題にもポジティブに取り組めています」。
ユーザーの立場でUiPath Japan MVPを取得し、もっと魅力を伝えたいとUiPathに入社した早坂さんも、れごさん、Yuiさんに共感。「前職は事務系の部署でした。誰もが大変な業務量を抱えながらも、なかなか改善できず悩んでいた時、UiPathに出会い大きく変化できたんです。その体験から、テクノロジーの素人でも本質的な業務の課題を知っていて、改善への強い想いがあったからこそ、学びやすいUiPathというテクノロジーががっちりはまり、課題解決につながったと考えています。使いやすいテクノロジーも大事ですが、業務の課題とどう結びつけるかが重要だと実感しました」
▼トークテーマ2/情報へのキャッチアップ法は?
情報のキャッチアップについては「ビデオチュートリアルやeラーニングの活用が非常に効果的である」と3名とも共通の回答。加えて独自の工夫もされています。
Yuiさん「自分自身の知識はいろいろ調べたりする一方で、社内のITに詳しくない方向けに、フォローアップ用の独自ウェビナーを企画して、定着に尽力しています」
れごさん「業務に近いサンプルを具体的に咀嚼した教育プログラムをつくって、自分自身で“見ながら加工する”と実践する機会を設けるようにしています」
早坂さん「アカデミーなどを活用して知識を体系立てて学ぶことと、自分の業務にあてはめて、実際に手を動かすことの2つをセットでやるのが効果的です」
▼まとめ/参加者へのメッセージ
パネルディスカッションで様々な意見が交わされた後、参加者への熱い想いを語っていただきました。
Yuiさん「業界は注目されていますが、評価されているのは自動化のスキルではなく、自動化ツールを活用して、いかに業務を改善できるかです。その点を踏まえてアピールすることが自分のキャリアにつながると思います」
れごさん「Yuiさんに同感です。RPAはツールなので“どう使うか”もしくは“使わないか”の見極められる目を養うことが重要です。“考え方”も中心に学んでいくことで、次のキャリアステップにつなげられると思います」
早坂さん「オートメーションはすでに企業として当たり前になり、AIとどう組み合わせるかが課題になっています。UiPathも皆さんと一緒に“AIをどう使いこなすか”という視点で、一緒に学び、価値向上に取り組みたいと考えています」
最後は、「最先端の技術を学ぶことも大切だが、やはり業務ありき。これからも様々な問題はあると思うが、いかに業務につなげていくかが重要。それがキャリアにつながっていく」と3名ともが共感しました。
自動化プロフェッショナルの実態調査レポートは以下からご覧頂けます。
https://www.uipath.com/ja/resources/automation-analyst-reports/automation-professional-survey-report
10月21日(月)から24(木)までの4日間、オートメーション業界最大のグローバルカンファレンス「UiPath FORWARD + TechEd」がラスベガスで開催されました。今年のテーマは「Transform with AI」です。最新の製品情報や知識を得ることができ、4,000名以上の世界各国ユーザーやパートナー、さらにプロダクトマネージャーとも直接コミュニケーションがとれるチャンスがある大イベントです。
実際に参加したヤマカワさん、ハシモさん、松瀬さん、Steve田中さんの4名が現地で体験した気づきや学び、イベントの魅力などを共有していただきました。ここでは、皆さんがもっとも印象に残ったものについて、ご紹介します。
松瀬さん「英語はあまり得意ではないので翻訳アプリを活用しましたが、デモやハンズオンがしっかりしているので、言葉の詳細が分からなくても理解できました。なかでもエラー時に自己修復できる機能“Healing Agent”は特に興味深くて、今後に期待しています」
ハシモさん「開催中、参加者にダイレクトにメッセージが送れるイベント専用アプリを活用して、いろんな方とミーティングをしました。熱意を伝えると、2つ返事でアポがとれます。特にプロダクトマネージャーと日本の市場などについて話し、熱い想いを伝えられたのは嬉しかったです」
Steve田中さん「よかったのはグローバルのキーパーソンやMVP、UiPathの創業者とも話す機会があることです。私はコミュニティも、商品・サービスの一部だと捉えて非常に興味をもっています。フランスなど海外のコミュニティや社内推進事情について話が聞けたのは貴重な経験でした」
山川さん「現地の盛り上がりを肌で感じられたのはよかったです。日本とはやはり違います。グローバルでどういう先進的な取り組みがされているか、今の流行りは何かなど、最先端の情報をキャッチアップできたのもよかったです」
最後に「帰国後、意識して行動したことは?」というテーマでは、「知り合った方々と帰国後も交流をしている」「社内で情報共有している」など、「FORWARDだけでは終わらせない!」という皆さんの熱い姿勢が見えてきました。「ぜひ来年は、皆さんも参加してください!」というメッセージで締めくくられました。
パネルディスカッションのフルバージョンは以下からご覧頂けます。
https://www.youtube.com/watch?v=l8tZS9EU69g
今年の基調講演は、たなかさん、チーフさん、しおちゃんの3名が登壇。UiPath Friendsでの活動や情報発信を通じた、ご自身のリアルな「キャリア形成」がテーマです。
▼最初は機械系エンジニア、運営メンバーとして2年が経ち、現在はフリーランスのRPAエンジニアとして活躍されている、たなかさんです。
コミュニティでの活動からキャリアアップ
たなかさん「UiPathアカデミーや研修会、UiPath Friendsのイベントやハンズオンにも、とにかく積極的に参加しました。特に、もくもく会は直接質問ができるので、知識を身につけるのには非常によい機会でした。運営に参加し初めてから積極的に発信するようになり、見える景色ががらりと変わりました。やはり人前でプレゼンできるLTなどは、大きく成長させてくれました」
▼2人目は、ホテルマンからIT業界に転身。現在はUiPathを活用したロボット開発や研修講師として活躍中のチーフさんです。
コミュニティが転職のきっかけに
チーフさん「まったく異業種からIT業界に転職したので最初は不安もあり、勉強したいけれど方法がわからないという状態。そんな時、ハンズオン勉強会「UiPath Friendsわちゃわちゃ会」をきっかけに次々イベントに参加し、自ら発信もするようになりました。その中で、ある時“チーフ、うちの会社こない?”と声かけられたんですね。コミュニティでの発信から生まれた人のご縁が中で、転職につながりました」
▼最後は、UiPath Friendsの創設メンバーで、UiPath Japan MVPを5年連続認定中のしおちゃん。ご自身のこれまでの活動の軌跡とその後に起こった変化まで語っていただきました。
コミュニティをきっかけに躍動した軌跡
しおちゃん「2019年以降、UiPath Friendsの立ち上げ、運営、登壇、さらに技術的な専門性を高めながら、様々なカンファレンスやブログ・SNSでも積極的に情報発信をしてきました。こうした躍動の結果、UiPath Test Suite国内第一人者と呼ばれたり、ゲストスピーカーとして招かれたり、グローバルの製品責任者とコネクションもできました。新技術の吸収に年齢の優劣はありません。ご自身の価値を高めるためにも、皆さんもどんどん発信してください!」
最後には、特別ゲストとして、UiPath株式会社 会長の長谷川が登場。「本日は皆さんありがとうございます。基調講演の皆さんがおっしゃっていた通り、やはり“発信”は重要です。いま取り組んでいるエージェンティックオートメーションも、日本から世界へ発信したいと思っています。プロダクトはそれだけでは100%完成ではなく、使う人がいかに活用し良くするかが重要だと考えています。ぜひUiPath Friendsの皆様、ユーザーの皆様と一緒に良いものへと育てていきたいです」と挨拶しました。
基調講演のフルバージョンは以下からご覧頂けます。
https://www.youtube.com/watch?v=l8tZS9EU69g
今回、初の試みとしてMotionBoardで有名なウイングアーク1st株式会社のユーザーコミュニティ「nest」とのコラボセッションが実現しました。nestは「多様なコラボレーションが生まれる」「与えられ、与えること」「オープンでフラットな関係性」の3つを大切にし、オンライン・オフライン両方のイベントを積極的に実践しているコミュニティです。
登壇者はモデレーターに川島さん、そしてUiPath Japan MVP吉田将明さんとUiPathと同様にMotionBoardも活用しているSteve田中さん、永坂さん、国吉さんの5名です。セッションでは、UiPathとMotionBoardをどのように連携して活用しているかの事例紹介や、データ活用×自動化やAI連携の展望などについてディスカッションを行い、様々な意見が出ました。
生産性向上とデータ活用を主目的にDX推進施策を徹底している日本トランスオーシャン航空株式会社の国吉さんは、「私たちは、データの一元化が重要だと考え、ETLツールで集約していますが、どうしても集約が不可能な部分はRPAを活用しています。“かゆいが手が届かない”部分をRPAで補うという点で期待しています」。
一方で、ヤンマー建機株式会社の田中さん「当社では市民開発が中心ですが、UiPath派とMotionBoard派がいます。ところが一方のツールだと時間がかかる部分を、もう一方だと一発でできる作業もあります。お互いの特性を知り使い分ける重要性を感じています」と留意点も指摘。
お二人の話を聞いた、UiPath Japan MVPでもある吉田さんは「UiPathとMotionBoardの特性を活かすことで、より業務の効率化が図れるのではないかと期待が高まります」
さらに現在、社内のEC事業推進、BIの企画・推進・開発・実施などシステム化を担っている株式会社買取王国の永坂さんは「毎日、RPAで1GB程度のデータを毎日集約し、MotionBoardで一元化して可視化しています。UiPathを導入することで毎日3時間もかかっていた作業が一気にラクになりました」とUiPathとMotionBoardの連携の便利さについて言及。
AutoFor株式会社 川島さんも「Excelで作業していては固まってしまいそうなビッグデータの取り扱いもMotionBoardがあれば効率化の可能性が高まりそうですし、マップや3D化も魅力ですね」。
さらに今後の展望として、AIとの連携についても熱い意見が続々。「UiPathのMotionBoardそれぞれの強みを掛け合わせて、いいものを作っていきたい!来年もぜひコラボセッションを!」と締めくくられました。
コラボセッションのフルバージョンは以下からご覧頂けます。
https://www.youtube.com/watch?v=l8tZS9EU69g
毎年、UiPath Friendsコミュニティメンバーの中から、リーダーシップを発揮し、自主性、積極性、情熱力をもって行動され、コミュニティの成長と発展に多大なる貢献をされた方を、「UiPath Friends Lovers」として表彰しています。今年度は、2名が受賞されました。
1人目は、「たなかさん」こと田中美奈子さん。人柄あふれる、あたたかい巻き込み力が魅力です。コミュニティ参加後、どんどんレベルアップされ、ご自身で勉強会を企画したり、イベント内容をシェアしたり、さらには運営会議にも熱い姿勢で取り組んでおられます。
たなかさん「コミュニティの初参加は2年前。情報収集や勉強、そしてすごく刺激になるので楽しく参加していましたが、まさか受賞できるとは思っていなくて驚きました。でも、とても光栄です。縁の下の力持ちとしてこれからも協力していきます。ありがとうございます」
2人目は、「Steve田中」さんこと田中重信さんです。圧倒的な、巻き込み力と行動力をお持ちです。地域も越えて、コミュニティの枠もグローバルさえも越えたコラボレーションを実践されました。FORWARD + TechEdでは日本人ユーザーで唯一、グローバルインタビューにも登場されています。
Steve田中さん「人をそそのかして動かして(笑)、コミュニティをつなぐ活動をやってきました。これからも人と人はもちろん、商品と商品もつないで、皆さんが幸せになるようなことに取り組んでいきたいと考えています。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました」
最後に、プレゼンターを務めたUiPath株式会社 執行役員 デマンドジェネレーション本部 本部長の大湯道徳から、感謝のご挨拶を述べました。「受賞おめでとうございます。いろんな会社から様々な立場の方が集まってくださり、運営・企画・発表・情報交換と積極的に実践していく素晴らしいコミュニティだと実感しています。新しくUiPathを導入されたお客様にとっては、非常に心強い存在であり、プラットフォームです。日頃の皆様の活動に、心より感謝しています。また、来年のFORWARD + TechEdでは、ぜひこのコミュニティから発表者が出ることを楽しみにしています!」
本記事でご紹介できなかった当日の様子は、ぜひこちらからご視聴ください。毎年人気のテック三昧もこちらからご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=l8tZS9EU69g
UiPath Friendsは、ユーザー主体のUiPath公式ユーザーコミュニティです。UiPathに関する技術交流や勉強会を行い、UiPathユーザーの技術力向上を支援しています。ユーザーの皆様が中心となって、トコトン楽しむことによりユーザーも企業も成長できるコミュニティです。ぜひ、下記からご参加ください。
Japan, UiPath
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