企業や組織においてDXやデジタル活用が急務となっている今、子どもや学生へのデジタル教育を推進し、次世代のデジタル人財を育成する取り組みが重要視されています。こうした背景のもと、UiPathは慶應義塾大学AI・高度プログラミングコンソーシアム(慶應AIコンソーシアム)と共同で、2021年6月上旬から7月上旬にかけて「オートメーションがもたらす未来の働き方―RPA×AI―ハンズオン企画」を実施しました。
全5回のセッションとUiPathアカデミーを利用した自習からなる本プログラムでは、UiPathの操作方法について学んだあと、学生自身のアイデアを活かして実際にRPAの自動化ワークフローを開発。最終回となる5回目のセッションでは、学生が作成したワークフローを実装内容や品質、自動化作業のアイデア、AIとの連携事例などの基準をもとに評価し、優秀作品に賞を贈るコンテストを開催しました。プログラムの概要についてご説明した第一弾に続き、本記事ではコンテストの様子と、学生が開発したRPAのワークフローについてご紹介します。
コンテストは、UiPath代表の長谷川による開会の言葉でスタート。
長谷川は、「皆さんが非常に熱心に参加して、短期間で素晴らしいワークフローをたくさん開発してくださったので、今日はとてもわくわくしています。現在、日本の多くの企業や組織で自動化が行われています。今回のコンテストのロボットは、ワークフローが素晴らしかったり、プレゼンが優れていたりと、皆さんの個性が輝いていて、普段、経営者の方と話す時とは異なる新しいアイデアが見つかり、とても参考になりました。」と、学生たちの発表への期待を語りました。
今回UiPathが準備した賞は、個人賞4つと総合賞1つの合計5つです。
ワークフローの実装内容や品質を評価した「WFの実装・品質賞」、RPAとAIの組み合わせやアルゴリズムとの組み合わせへの挑戦を評価する「RPA×AI賞」、UiPathのグローバルビジョン「A Robot for Every Person」に貢献し、伝道師となってもらえるようなワークフローを開発した学生に送られる「A Robot for Every Person賞」、自動化する作業のアイデアや方向性のすばらしさを評価する「アイデア賞」。そして「総合賞」は、各領域の評価を通じて最も優秀と評価された学生に贈られました。
ここからは、受賞作品の中から、技術や発想に注目が集まったワークフローを3つ紹介します。
最初にご紹介するのは、「RPA×AI賞」を受賞した理工学部・理工学研究科 本田佳覚さんの「効率的な配達ルートを探す」です。本田さんは、あらかじめ登録した住所を結んだ2点間の距離をマップから抽出、アルゴリズムを用いて最短ルートを割り出すというワークフローを開発しました。精度を高めるためにワークフローを数回繰り返すことがポイントです。このプロセスで得られたデータを利用し、プログラムによって2点間の最短ルートを割り出すことができます。
審査を担当したUiPath社員は、「RPAはGoogle検索とも相性が良く、聞きたいことを入力するとGoogleが返答してくれるようなロボットもこれから出てくると思います。今後の開発も楽しみにしています」と講評しました。
続いて「A Robot for Every Person賞」を受賞した、経済学部 作本涼さんの「課題対応の自動化」。作本さんは、学生生活の要である課題に関連したワークフローを作成しました。学生ポータル上に課題が発表された際の通知メールの情報をRPAが抽出し、自身のSlackアカウントに通知してくれるというワークフローですが、提出期限が1週間以内に迫っている課題だけを通知する設定を組み込むなどの工夫が光りました。今後は、完成した課題の体裁や参考文献チェック、課題提出作業の自動化にも取り組みたいと意気込みを語ってくれました。
UiPath社員からは、「ご自身の学生生活に基づいたワークフローを作っていただきました。作本さんは初回から楽しんで参加してくれた様子だったので良かったなと思っています。このロボットの動作が安定したら、ぜひ後輩にも引き継いで、RPAを広めてもらいたいです」とコメントがありました。
最後にご紹介するのは、「総合賞」を受賞した経済学部 鈴木龍彦さんの「コンテンツディストリビューター」です。鈴木さんは、自身のインターン先で行っている、スケジュールされたコンテンツをコピー&ペーストし、SNSに配信する作業を自動化しました。スケジューラーからコンテンツを書き出し、テキストや画像を置き換え、設定を行って投稿するという、これまで手作業で11分かかっていた作業を4.5分に短縮。週2回の作業で、年間10.4時間業務時間の削減に成功しました。さらにコピー&ペーストやフォーマッティングを自動化したことにより精度の向上にもつながっています。今後はコンテンツ作成・編集・スケジュールを一体化して自動化プロセスを広げていきたいと発表をまとめられました。
UiPath社員からは次のように講評がありました。「鈴木さんはプレゼンのクオリティが素晴らしいのもさることながら、セッションに毎回参加されて、着実にRPAの技術を習得されたと思います。ご自身が活動している分野で実際に使えるものを作っていただいたこともあり、様々な面を評価して総合賞をお贈りすることに決めました。」
コンテストのクロージングでは、今回の企画準備に多大なご協力をいただいた慶應AIコンソーシアム伊藤先生からもコメントをいただきました。
「学生達からこんなにも色々なアイデアが出てくるとは正直思ってもいませんでした。柔軟な頭脳の賜物だと思います。通常の授業と並行してここまでRPAの完成度を上げられたのは、RPAへの興味の高さや努力もさることながら、UiPathの社員の方々のメンタリングやコーチングによる効果的な支援に非常に感謝しています。この企画を機に、アカデミックの分野にもRPAを広め、ビジネスだけでなく新しいRPAの活用法が広がればいいと思います。また、将来UiPathと関わりたいと思う学生が1人でも2人でも出てくれればとても嬉しく思います。」
最後に長谷川は、DXが進む日本においてデジタルリテラシーを高める重要性について言及。「日本は課題先進国と言われ、少子高齢化、労働人口の減少に加えて生産性の低さが問題視されています。しかし、私たちが新しいかたちの自動化を進めることで、日本が元気になると思っています。今、デジタルの世界では、半年に1度くらいのペースでビジネスの前提が変わっています。そのため、いかに自分たちで自動化を進められるかがカギになるのです。DXを進めるためにも、一人ひとりが自動化できるようになり、テクノロジーに慣れ親しんで、ぜひ日本を元気にしていただきたいと思います。これからも自分でワークフローを開発するなど、DXのど真ん中にいるような人財になってくださることを期待しています」と締めくくりました。
UiPathでは、グローバルビジョンである「A Robot for Every Person」を達成するべく、誰もがRPAやAIの技術を習得し、デジタル人財として活躍できるような社会を目指して、これからも様々な機関と協働でプログラムを実施していきます。さらに、こうしたプログラム以外にも、UiPathアカデミーでは、誰でも無料でオンライン受講できるRPAのトレーニングコースが多数公開されています。レベル別のプログラムに分けたトレーニングコースや資格制度を通してRPAの導入・開発・運用に必要な知識を学ぶことができますので、ご興味のある方は是非ご利用いただき、RPA技術の習得にご活用ください。
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Topics:
教育Japan, UiPath
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