UiPathのグローバルビジョンをはじめ、ビジネスや製品戦略などをご紹介する年次カンファレンス「UiPath Partner Forward 2022 Japan」が、東京コンファレンスセンター・品川およびオンライン配信で開催されました。
「UiPath Partner Forward」では毎年、パートナーをご招待し、UiPath関連ビジネス推進に役立つ最新情報をお届けしています。
昨年はコロナ禍の影響もあり、オンラインのみの開催となりました。しかし、今年度はオンライン配信はもちろん、会場でのカンファレンスも含めたハイブリッド形式での開催を実現。会場・オンラインともに、多くのパートナーに参加いただきました。
まず登壇したのは、取締役最高収益責任者の鈴木正敏です。米UiPath社の2022年度の決算発表概況を報告し、「日本でもARR(年間経常収益)の伸び率や販売数、そして進化といった側面でも今までで最も良い成績を達成しました。皆さまのご協力に心から御礼を申し上げます」と、パートナーへの感謝の想いを語りました。
また、「A Robot for Every Person(=すべての人がロボットを使いこなす“デジタル人財”になることで、人や組織の生産性を向上し、より創造的な仕事ができる環境を作る)」というUiPathのグローバルビジョンのもと、UiPath日本法人の2023年度の5つの事業方針、①Fully Automated Enterprise™の推進 ②業種別取り組みの強化 ③デジタル人材育成の推進 ④顧客満足度のさらなる向上 ⑤パートナーエコシステムのさらなる強化を発表しました。
特に①Fully Automated Enterprise™の推進では、RPAがあらゆる業務やシステム、人と調和し、 “全社的自動化”が企業や組織に浸透することで「人は、人にしかできないような仕事に注力できる世界が実現します」と解説しました。
続いて、スクリーン上に登場したのはArea VP of Partner and Strategic Customers Asia Pacific & JapanのMarcus Low。シンガポールから、UiPathのグローバルパートナー戦略の一つとして「パートナーイネーブルメント(情報連携や学習制度)」の重要性について伝えました。「今年度は一層、組織全体でパートナーをサポートしていこうと考えています。ソリューション提案のお手伝いやチームづくりなどの支援はもちろん、エンドユーザーのバックアップができるようなUiPath公式エンジニア資格制度も準備中です」とMarcus Lowは説明。
最後に、アフリカのことわざ「If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together(=急いでいるなら一人で行け。遠くまで行きたいならともに行け)。」を引用し、「日本でのビジネスを成功させるためには、パートナーの皆さまと一緒に進む必要がある」と結びました。
新たに執行役員 最高パートナー責任者に着任した渡部は「最近ではMSS(マネージドセキュリティサービス)やMSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダ)の高度化・効率化にもRPAが使用されています」と、現在多くの企業で経営課題となっているサイバーセキュリティについて言及。「これによりMSSやMSSP、そしてSOC(セキュリティオペレーションセンター)で働いている人々が、単純作業から高度な解析といったAIやRPAにはできない業務にシフトしています」と語りました。
その後、壇上に上ったのは執行役員 通信・公共・公益・流通営業本部 本部長 兼 最高パートナー責任者 補佐 の松本大。本年度のパートナービジネス成長戦略として、①案件単価の向上 ②継続率の向上 ③新規顧客の開拓を掲げました。松本は「『RPA』という言葉だけで購入してもらえる時代は終わりました。今後は、お客さまの課題をどう解決するのか。ソリューションを提案していく必要があります」と解説。RPAを1ツールではなく「プラットフォーム」として訴求することで、大規模案件の獲得や、成長市場である中小企業を開拓し、新規顧客の開発を行える可能性について伝えました。
「DXという傘の下で、何から始めたらいいかの整理がつかないまま、『とりあえず』着手してしまっている企業は多いと思います」
そう話すのは、本カンファレンスにて「RPAを巡る国内市場動向とオートメーションの方向性」の講演を行った株式会社アイ・ティ・アールのシニア・アナリスト舘野真人氏です。
舘野氏は、国内のインターネット上でやりとりされるデータ量、インターネットトラフィックの増加についても言及。「コロナ禍の影響もあり、2020年からインターネットを行き来するデータ量が増加しています。オンライン会議や、メール、チャットの使用量が増えたと考えられます」と説明しました。企業間で扱われる情報量が増加した現在、「どのようにハンドリングするか」悩んでいる企業は多いと舘野氏は語ります。
そのようななかDXを実現するためには「アナログ情報のデシタル化=デジタイゼーション(Digitization)はもちろん、デジタルデータを活用し、自動化・効率化によってオペレーションを最適化する=デジタライゼーション(Digitalization)が大前提」と舘野氏は説明。そしてデジタライゼーションには「RPAは非常に有効です」と解説しました。
今後、RPAを用いたオートメーションで目指すべき方向性について「従来は、例えばマウスでのクリック作業など『個人が抱えている手作業の効率化=従業員価値』を視点に置いたオートメーションがなされていました。ですが、これからは製品ができてから顧客に届くまでの一連のプロセスを最適化し、商品が手元に届くまでの時間を少しでも短く・早くするといった『顧客視点のゴール=顧客価値』が重要になってきます」と舘野氏。これまでは、個人が担当する定型作業や、ボリュームのある業務が自動化されることが多い傾向がありました。今後は、頻度の少ない業務も含めて一連の流れを最適化することで、顧客体験や満足度の向上につながるといいます。
「認知、そして国内市場規模もどんどん広がっているRPAですが、まだまだ現場の方だけでの導入や運用は難しいのが現状です。弊社をはじめ、ベンダー・パートナー企業の方々も、ユーザーと絶えずコンタクトをとるのはもちろん、伴走型サービスを提供し、知識のトランスファーを行うことが大切です」と舘野氏は話します。
さらに「ユーザーコミュニティが強い製品は長く続きます。コミュニティの中で事例を教え合うこともあれば、マーケットプレースでテンプレートを交換し合うこともあります。ベンダー、パートナーはユーザーを自社で囲うのではなく、コミュニティへの参加を積極的に促し、コミュニティへのパスをつなぐことがこれからの大きな役割です」と語りました。
カンファレンスの最後には、昨年度UiPathのビジネス拡大に貢献したパートナーを表彰する「UiPath Partner Awards 2021」が執り行われました。
「UiPath Partner Awards」とは、日本におけるRPAビジネスの拡大、働き方改革を推進し、UiPath製品・ソリューションの国内展開に大きく寄与・貢献した企業に贈られる賞で、今回が4回目の実施となります。本年度は、2021年の各社の貢献を称えて、計9部門、9社のパートナーを表彰いたしました。
※「UiPath Partner Awards 2021」の受賞パートナーおよび授賞理由はこちら
素晴らしいパートナーとともに、今後もUiPathは日本のお客様の業務の自動化・効率化、そして「すべての人がロボットを使いこなす世界」を目指し、RPAを推進してまいります。
Japan, UiPath
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