企業の成長、競争力強化のために新しいデジタルやITの技術を活用して新たなビジネスモデルを創出するというデジタルトランスフォーメーションの取り組みが、様々な場面で広がっています。しかし、経済産業省が2018年に発表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」では、複雑化・ブラックボックス化したレガシーシステムがDX実現の大きな障壁になると指摘。さらに、このまま、事業部門ごとに構築され全社横断的なデータ活用ができない、過剰なカスタマイズがされているといった既存システムの問題が解決しないと、2025年以降に現在の3倍の規模である年間12兆円の経済損失が生じる可能性があり、これを「2025年の崖」として警鐘を鳴らしています。この損失を未然に防ぐには、既存システムの問題解決が必要となりますが、そのためにはまず働き方改革を含む業務自体の見直しも不可欠です。
では、どのくらいの企業が「2025年の崖」を意識し、既存システムの刷新を含め最新のIT活用の推進や経営課題の克服に取り組んでいるのでしょうか。UiPathでは、従業員数1000人以上の企業のIT担当者を対象にアンケートを実施、日本企業におけるIT活用の実態について調査を行い、その結果を「つながらないシステムをRPAが救う 7つの理由」としてeBookにまとめて公開しました。下記では、その一部をご覧いただけます。
IT担当者の「2025年の崖」に対する認知度はまだまだ低く、「2025年の崖」について知っていると回答した担当者は4割にしか満たないという結果に。まずは経営者・情報システム部門・事業部門のそれぞれが直面している課題を認識し、そのうえでシステム刷新の取り組みを進めて行く必要がありそうです。
また、直近3年で企業が取り組もうとしている経営課題の中で一番多かったのは「働き方改革、生産性・業務効率向上」です。労働基準法の改正やワークライフバランスの見直しといった社会の動きに伴い、働き方の改革は多くの企業で課題視されているようです。売上拡大・収益性向上という根本的な経営課題を除くと次に多いのが「IT・ソフトウェアの戦略的な活用」となり、ITを活用した生産性の向上や業務効率化を目指している担当者が多いことがわかりました。
この結果は企業の働き方改革の取り組み姿勢にも表れています。約4分の1の企業がすでに最新のITを活用した生産性向上・業務効率化による働き方改革に取り組んでおり、効果が出ていると回答しました。さらに、およそ半分の企業も取り組みを始めており、ITを活用した働き方改革は企業活動の一環として定着し始めているということができそうです。しかし、残る11.9%の企業は働き方改革に「取り組めておらず計画もない」と回答しており、この流れに取り残されないよう一刻も早いアクションが必要となります。
「2025年の崖」に向けた対策として考えられる業務の効率化・生産性向上については既存のシステムや業務に関する見直しが欠かせません。調査の結果、既存業務のほとんどが複数のシステムにまたがって行われていることがわかりました。特に、見積から承認、受発注から決済に至るプロセスでは約75%の企業が2つ以上のシステムを使用しています。このようにワークフロー中で複数のシステムを利用する際の課題は、システム同士がつながらないことによって人手を使った作業が増加してしまうことです。使用されるシステム同士の連携が可能になれば、生産性や業務効率が向上し、ITを活用した働き方改革の推進にもつながるでしょう。
ITを活用した働き方改革に加え、レガシーシステムの刷新も不可欠です。調査では、全体の約半分がレガシーシステムを所有していると回答。しかし、すでに刷新が完了している企業は全体の約4分の1にしか満たず、残る4分の3の企業が刷新が未完了であることが判明しました。さらに、27.5%の企業が、「刷新の計画はない」と答えており、このまま2025年を迎えてしまうと、すでに刷新を終えている企業との経営格差にもつながりかねず、一刻も早い対応が求められます。
2025年まであと5年に迫っていますが、既存システムの刷新は長期間にわたり、大きなコストもかかるため、経営者にとってはリスクもあります。これらの課題を解決し、既存システムのブラックボックス状態を解消したうえで既存システム上のデータを最新のITシステムと連携させ活用するといった本格的なデジタルトランスフォーメーションを遂行する手助けをしてくれるのがRPAなのです。
UiPathのRPAは迅速な開発に向いているだけでなく、拡張性の高いプラットフォームにより、カスタマイズや共有が可能な数百のビルトインアクティビティを提供しています。他のソフトウェア・アプリケーションともシームレスに統合されているので、各企業で導入済みのシステムやテクノロジーとも連携が可能です。またUiPathのRPAは小さく始めて大きくスケールアップしていくことも可能。フロントオフィスからバックオフィスまで全社に渡って、あらゆる種類や規模のプロセスを実装し、管理することができます。さらに、自動化のライフサイクルをサポートするように設計されているため、自動化の計画から開発、実行、効果測定までを一気通貫で行うことができ、自動化の全貌を把握しながらデジタルトランスフォーメーションの推進が可能です。
調査によるとIT担当者内でのRPAの認知度は高く、全体の約7割を占めました。さらに、RPA活用を推進している企業も多く、RPAを導入済みの企業、1年または3年以内に導入予定の企業を合わせると、その割合は約7割に。しかし、残る約3割の企業はRPAの活用に積極的でなく、最新のIT活用やシステム連携に対しては意識差があることが明らかになりました。
こうした企業がRPAを導入しない理由として最も多かったのが「具体的な用途がみつからない」というものでした。RPAが便利であることは分かっていても、実際の業務においてどのような場面で使用できるかについては知られていないようです。まずは企業の事例などから用途を探り、自社業務との親和性や、使用によるメリットについてのイメージを持てるようになることが、RPAの活用を加速させるカギとなるでしょう。
UiPathでは、本調査結果をまとめたebook『「IT担当者アンケート」で見えてきた つながらないシステムをRPAが救う7つの理由』を作成しました。「2025年の崖」に向け、働き方改革やシステム同士の連携にRPAが役立つ理由を7つの切り口で分析しています。さらに、企業における導入率の高いシステムとの主連携ソリューションも一部ご紹介。「2025年の崖」を乗り越えるための対策を始めたいが、どうすればいいかわからないという方にも、デジタルトランスフォーメーション推進のヒントとなる情報を見つけていただけるはずです。
ebookはこちらからダウンロードしていただけます。
(参考)経済産業省(2018)『DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』
Japan, UiPath
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