UiPath 2019年2月のリリースについて

2018.4 release

UiPath 2019.2月次リリース報告

先日発表した新しいリリース戦略に続いて、今回は 2 月の月次リリースで提供を開始した革新的なコンテンツとして、人工知能 (AI) ベースのコンピューター・ビジョン、新たなパートナーとの連携コンテンツ、そして今月の UiPath 2019 ファストトラックプレビューについてご紹介いたします。

 

コンピューター・ビジョン(パブリックプレビュー)

UiPath の AI コンピューター・ビジョンは、RPA が現在抱える最大の課題である、Citrix、VMware、および Windows リモートデスクトップ等の仮想デスクトップインフラストラクチャ (VDI) 環境を含むプロセスの自動化を可能にしました。

UiPath が開発した画期的なコンピューター・ビジョンアルゴリズムによって、ロボットは人間のようにユーザーインターフェイス (UI) 上の要素を認識できるようになり、VDI 環境上のプロセスや、その他 Flash、Silverlight、PDFといった自動化が難しいインターフェイスを含むプロセスの自動化が可能になりました。これにより自動化ワークフローの作成時に技術的な知識が必要とされるセレクター操作の回数が減ったほか、小規模な UI の変更やソフトウェアのアップグレードが行われた場合のワークフローの信頼性や復元性も改善されました。

UiPath の AI コンピューター・ビジョンは、技術スキルがなくてもドラッグ&ドロップをするだけで、ロボティック プロセス オートメーション (RPA) のワークフローに簡単に AI をデプロイすることのできる機能です。

AI コンピューター・ビジョンに関するブログ記事から、この画期的な技術の詳細やプレビューを確認することができます。

 

パートナーとの連携コンテンツ

UiPath は IT 業界をリードする企業と連携してジョイントソリューションを設計し多様なビジネスの課題に解決策を提供することで、一流の RPA エクスペリエンス届けることに価値があると信じています。今月、2019年2月には、現在リリースされている 2018.4 バージョンで作成した自動化プロジェクト内ですぐに使用することができる、2 つの連携機能をリリースしました。

 

・Bonitasoft

お客様の多くは、エンドツーエンドのプロセスマネジメントにはビジネスプロセスマネジメント (BPM) やローコードプロセスオートメーションといったソリューションを導入し、プロセス全体における特定のタスクを自動化する手段としてRPA テクノロジーを使用しており、この 2 つをシームレスに連携させたいというニーズを抱いています。UiPath はこの分野における業界のリーディングカンパニーとパートナーを組んでおり、すでに AgilePoint、Bizagi、Enate、IBM、K2 および Scheer といった、BPM およびケースマネジメントにおいて著名なベンダーとの連携機能が作成されており、UiPath Go! マーケットプレイス や 各 BPM プロバイダーから取得することができます。

今月、(2019年2月) は、オープンソースの BPM ソリューションとして広く使用されている Bonitasoft との連携機能がリリースされました。この機能により、Bonita プラットフォームで管理されているプロセスにおける、ロボットの例外処理管理や人間による複雑な意思決定を含むエンドツーエンドのプロセス自動化が可能となりました。これらの UiPath のネイティブなアクティビティにより、お客様はコードを書くことなく Bonitasoft のワークフローと容易に連携することができます。

このソリューションは典型的には次のような業務に使用することができます:  人事部の新入社員受け入れ業務、ローン貸出、サプライチェーンマネジメント(供給連鎖管理)など。連携機能の詳細についてはこちらをご覧ください。Bonitasoft アクティビティパッケージは、 Go! マーケットプレイスよりダウンロードできます。

 

・Microsoft Face

スマートな自動化の実現のために UiPath がサポートしている数多くの AI 技術に、新しく Microsoft の顔認識機能 (Microsoft Facial Recognition) が追加されました。この新しいアクティビティを使用することにより、ワークフロー内で人間の顔の検出、認識、および解析が簡単にできます。具体的には、写真の分類と識別、顔データのインベントリ (face inventory) への顔データの追加およびその管理や、セキュリティシナリオの強化 (たとえば、特定のユーザーしか attended ワークフローのシナリオを実行できないよう設定) に使用できます。Microsoft Face アクティビティパッケージは、 Go! マーケットプレイスよりダウンロードできます。

 

2019 FastTrack (パブリックプレビュー)

2019年に 2 度発表されるプラットフォームアップデートのうち、第 1 回目としてリリースされるのが 2019 FastTrack です。その初回のプレビューが 1 月にリリースされました。今月のプレビューでは、ユーザーエクスペリエンス、スケーラビリティ、安全性、および信頼性を向上させる新機能が追加されます。

 

・エクスペリエンスの向上

UiPath は、すべてのお客様のユーザーエクスペリエンスがリリースを追うごとに向上するよう、注力しています。20 万人を超える優秀な開発者が集まるコミュニティにとって、開発生産性の向上はリリースのたびに重要視されるポイントです。このプレビューには、開発者向けに次の機能が含まれています。

 

・Regex ビルダー

正規表現、または Regexは、テキストのマッチングや位置検索、そして管理をしやすくするパターンを作成するための形式言語です。正規表現の使用や定義は非常に難しいのですが、Regex ビルダーを活用することで、RPA 開発者は Regex を使用してテキストから関連情報を簡単に抽出できます。このアクティビティウィザードを使用すれば、ユーザーはテキストから日付、数字、請求書の項目といった情報を簡単に抽出することができるのです。

 

・アクティビティパッケージの法的容認

新しいアクティビティのインストールを開始する前に、法的な影響について知っておくのは重要なことです。すべてのアクティビティパッケージにはそれぞれ法的な利用規約があり、また、場合によっては別のパッケージへの依存関係が存在することもあるため、複数のパッケージを同時にインストールする必要がありました。現在では、利用規約が 1 つに統合されたため、何か 1 つアクティビティパッケージをインストールする際に同意するだけで済みます。

 

・俊敏性の向上

開発の俊敏性の向上を目的として、以下の開発者向けの主要機能をいくつか追加しました。

 

・変数のコピー

開発者は、自動化プロジェクト内はもちろん、複数のプロジェクトをまたいでアクティビティを再利用することが多々あります。そのため、1 つのワークフローから別のワークフローに変数をコピーできるようにしました。つまり、変数 (または引数) を 1 つ、または複数選択し、別のワークフローにコピー&ペーストすることができます。

 

・グローバル引数の名前変更

引数の名前を変更する方法が簡略化されました。引数の名前を 1 つの場所で変更すると、その引数が使用されている他のすべての場所においても変更が自動的に反映されます。これにより、ワークフローが機能しなくなる問題が発生しなくなり、変数そして引数ともに安定した挙動を維持することができます。

 

・引数と変数の単純変換

変数から引数へ、また、引数から変数へ、簡単に変換できる機能を追加しました。これはワークフローのリファクタリング時に有用で、ロジックシーケンスを簡単に移動することができます。

 

・ライン内での引数作成

開発者コミュニティから多く寄せられる、機能に関する要望の 1 つに、ライン内で引数が簡単に作成できる機能が挙げられます。本リリースより、式作成時にコンテキストを切り替えることなくその場で引数を作成することができるようになりました。変数のショートカットとして Ctrl + K を使用するのと同様に、Ctrl + M を使用して In 引数を作成したり、Ctrl + Shift + M を使用してOut 引数を作成したりすることができます。

 

・ワークフローに対する変更の表示

より良い結果を出すため、開発者は、1 つのプロセス実行に対して 2 つのバージョンの自動化ワークフローを比較しなければならない場合があります。本リリースより、同じ Studio のインスタンス/ウィンドウ内で2 つのワークフローを比較することができるようになり、また、このインスタンス/ウィンドウはカスタマイズ可能で、変更箇所がハイライト表示されます。

 

・ドキュメントの分類と処理

ドキュメントはビジネスプロセスを強化するものであり、組織は日々膨大な量の様々なドキュメントを処理しています。重要ではあるものの反復的な作業であるドキュメントの分類と処理プロセスを、この機能を使用することで簡素化することができます。

ドキュメントの種類一覧 (例: 請求書、契約書、健康診断書) を指定すれば、ロボットが受信したファイルを分類してくれるため、企業はそれぞれのファイルに対する下流の処理プロセスを個別に設定することができます (例: 特定の場所にアーカイブする、データを抽出する、転送する)。自動分類の内容は [検証ステーションを提示 (Present Validation Station]] アクティビティを使用して人間の目で確認することができ、人間からのフィードバックをもとに分類子をトレーニングすることができるため、時間の経過とともに精度と信頼度が高まります。また、オープンなインフラストラクチャであるため、簡単にカスタムの分類アクティビティを統合することができます。

 

UI 自動化

SAP、Java アプリケーション、Silverlight などのプラットフォームにおけるサポートを強化し、キーボードやクリックといったトリガーイベントの安定性を向上させるための土台作りとして、イベントモニタリング機能全体を改良しました。

2019 ファストトラックプレビューに含まれている数々の新機能を、ぜひ開発環境のワークフローで試してみてください。そして、2019 ファストトラックプレビューフォーラムを通じて、皆様のフィードバックをお寄せいただければ幸いです。

 

Orchestrator Mobile アプリ

UiPath は 2019年1月に Orchestrator Mobile アプリをリリースしており、これにより、管理者は Androidまたは iOS デバイスを使用していつでもどこにいてもRPA 環境全体をモニタリングできるようになりました。今回のリリースで、このアプリがフランス語およびロシア語でも使用可能になりました。既に使用いただいているユーザー様からは非常に大きな反響をいただいています。まだ Orchestrator Mobile アプリをダウンロードしていない方は、ぜひお試しください。

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Param Kahlon

EIR, Canvas Ventures