お客様株式会社マクニカ

業種ハイテク

地方アジア太平洋&日本

高品質のテスト自動化と組織横断の効率化を目指す全社的プラットフォーム

株式会社マクニカ

市民開発推進とAI活用

UiPathへのリプレースにより実現を目指す

テスト自動化が開発現場から賞賛

開発、改修のテスト業務をワンクリックで

品質担保と年200時間削減

テスト自動化の人的負担を排除へ

市民開発を広げてエンドツーエンドで生産性向上。ユーザー部門を支え、IT部門が持続的成長に貢献

マクニカグループは2030年へ向けたビジョンとして、事業の持続的成長の具体的な目標「売上2兆円以上、営業利益1500億円以上」を掲げる。DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、現時点から倍増の売上達成を目指す。マクニカホールディングス傘下の事業会社であるマクニカでは、その有力施策として業務効率化やシステムのテスト自動化に取り組む。そこでプラットフォームとして活用しているのがUiPath製品群である。市民開発やテスト自動化の導入に着手した業務では、早くも様々な効果が表れている。

課題・解決策・効果

既存製品では難しかった市民開発。人手と時間のかかるテストは限界に

マクニカは2030年に向けた長期経営構想の「Vision2030」で、「豊かな未来社会の実現に向けて、世界中の技と知を繋ぎ新たな価値を創り続けるサービス・ソリューションカンパニー」への変革を打ち出す。マクニカホールディングス執行役員CIOの安藤 啓吾氏は、「IT本部として、知見や経験を生かしながら事業部門やユーザー部門のDXへの要求に寄り添い、新しいソリューション創出を支える体制をつくっていきます」と言う。現場からの要件に従ってシステムをつくるだけのIT部門ではなく、事業部門がサービス・ソリューションを生み出すことに貢献できるIT部門であるべきとの考えだ。

「RPA(Robotic Process Automation)による自動化に数年前から着手し、各事業の手元の作業などは効率化が進んでいます。しかし、さらに全体最適の目線から一層の効率化が必要です。そこで、会社や組織を横断して流れている仕事についてエンドツーエンドで効率化を図るため、業務のプロセス全体を自動化するハイパーオートメーションの実現を目指しています」(安藤氏)。

安藤氏

マクニカホールディングス株式会社 執行役員 CIO 兼 株式会社マクニカ IT本部 本部長 安藤 啓吾氏

ハイパーオートメーションの理想を掲げるマクニカだが、足下では業務効率化や自動化に向けて幾つもの課題が浮かび上がっていた。RPAツールのリプレースのプロジェクトマネージャーを務めたマクニカ IT本部の北岡 知江氏は、「従来のRPAツールは難易度の点で市民開発がネックになっていました。またライセンスが国内に限定されていて海外展開に支障があることや、AIなどの先端技術へのキャッチアップが少なく将来性が見えないことに不安を感じていました」と言う。

RPAによる社内業務の効率化の側面だけでなく、IT部門の業務効率化にも課題があった。安藤氏はシステムのテスト方法に限界を感じていた。「会社の成長に伴いシステム規模が大きくなり、開発、改修案件が膨らんできました。人間によるテストの負荷を減らしながら品質を担保するために、テストの自動化が不可欠だったのです」。

テストの自動化に対しては、安藤氏はCIOとしての視点も披露する。「これまでシステム開発では品質を担保することが第一でしたが、今後の事業によっては環境変化に対応できるスピード感が最重要となります。最初のリリースの段階で80%の品質でもアジャイルに改良していくような考え方と、そのための体制が必要です。スピード感を保ちながら品質もコントロールしていくために、テストの自動化を避けては通れません」と指摘する。

テスト自動化のプロジェクトを担ったIT本部の藤本 慎也氏は、現場の厳しい状況を説明する。「新しいサービスの提供や、研究開発が進むと、新事業に合わせた案件管理の仕組みが必要となります。カスタマイズ機能が増えると既存機能のリグレッションテストに時間がかかる上、影響調査で見落としがあると不具合が発生するリスクもあります。とても切実な問題でした」。

UiPathが戦略的要件に合致。テスト自動化にも展開

マクニカはこれらの課題の解決に乗り出した。まず、RPAツールの要件は市民開発のしやすさ、海外の拠点や関連会社でも利用可能なライセンス形態、AI活用などの先進機能への対応である。「そこで、グローバルでマーケットリーダーであるUiPath製品に目を付けました。北米のグループ企業で既にUiPathの活用実績があることも後押しの材料となりました」(北岡氏)。

さらに、「開発するときのアクティビティが充実しており、開発の難易度が低い点も市民開発を推進するにあたってのポイントとなりました。業務自動化の側面では、書類の読み取り業務の自動化の要望が高く、AI-OCR機能のDocument Understandingが提供されていることも要件に合致しました」(北岡氏)。こうしてRPAリプレースのプロジェクトではUiPath製品の採用の方針が固まった。

北岡氏

株式会社マクニカ IT本部 IT統括部 ITエンジニアリング部 プロダクトエンジニアリング課 北岡 知江氏

一方、テスト自動化については早々と製品選定を始めていた。藤本氏は「当初、テストの自動化対象はERPだけで、製品選定もERPとして採用しているSAPへの対応を考えたものでした」と振り返る。その後、「ERP以外にも顧客管理のCRM(Customer Relationship Management)やアプリケーション基盤でも対応ニーズが高まりました。同じ頃、RPAでUiPathの導入が決まりましたので、UiPathのテスト自動化ツールであるTest Suiteを利用すれば、ERPだけでなくCRMなどの他のシステムも含めた社内全体のテスト自動化ツールとして利用できると考えました。社内にUiPath利用環境がある状態でしたので、これを拡張することで短期、かつ、低コストでテスト自動化を実現可能となります」(藤本氏)。テスト自動化ツールでも、UiPath採用へと流れが一気に傾いた。

2024年7月から約1カ月のPoCを経て、テスト自動化における十分な効果が見込めると判断し、同年8月に本稼働を始めることになった。

サービス品質に大きな安心感。テスト自動化に一層の期待

RPAの既存のロボットは2025年4月までにUiPathに全面移行する。「市民開発については教育を開始しており、新規の開発案件も随時リリースされています」(北岡氏)。これまでRPA化をしてきた部門の業務ではルーティン業務の自動化が進んでいる一方で、今後はDocument Understanding機能を使って書類の読み取りなどに自動化を拡張していきたい考えだ。

テスト自動化は、2つの分野で既に利用が始まっている。「1つは、CRM関連のテストです。お客様に対してCRMと連携したポータルサイトで管理機能を提供しています。ポータルサイトはクラウドサービスを利用しており、サービス側の製品アップデートとカスタマイズ機能の親和性の問題で週末や夜間に不具合が発生するケースがありましたが、UiPath Test Suiteでテストを自動化することで週末や夜間でも即時にエラー検知できるようになりました。もう1つはアプリケーション基盤の開発時のリグレッションテストです。開発頻度がとても高く、改修の度に実施する既存機能への影響確認テストでかなりの工数がかかっていました。これを自動化することで開発工数の削減とともに品質向上を実現することができました」(藤本氏)。

藤本氏

株式会社マクニカ IT本部 IT統括部 ITシステムマネジメント部 コーポレートシステム課 主席 藤本 慎也氏

実際にUiPath Test Suiteを利用して、「想定するテストシナリオに対して、それらを実現できる機能が十分に備わっていると感じました」と藤本氏が言うように、充実した機能面も評価している。

テスト自動化の効果はすぐに表れた。藤本氏は「PoCを経た段階で、CRMでは年間約50時間の削減が、ネットワーク事業の業務管理システムでは年間160時間の業務削減が確認できました。本格稼働によりこの2分野だけでも年間1000時間の削減につながると見ています。さらにERPのテスト自動化が加わることで、大幅な効率化が進みます」と語る。

効果は、そうした数値面だけに留まらない。「これまでは開発期間とリソースの関係で、テスト範囲の取捨選択が必要なケースもありました。UiPath Test Suiteの導入で、全機能を網羅したテストが可能になり、品質改善が実現できています。実際に、開発、改修したシステムの手戻りが減ったと実感します」(藤本氏)。IT本部だけでなく、システム開発を依頼しているパートナー企業からも、工数のかかるテスト業務がワンクリックで自動化できることに称賛の声が上がり、心配していた外注先へのUiPath Test Suiteの浸透も円滑に進んでいるという。

マクニカでは今後、業務効率化とテスト自動化の両面で一段とUiPath製品の活用を進める考えだ。業務効率化では、「2024年内にコーポレート部門などRPAを使っていなかった部門への教育を開始します。ルーチンワークが多い部門なので、RPAの効果がさらに高く表れると思います。Document UnderstandingなどのAI機能を生かして紙の書類の業務を自動化できることも勘案して、年間約3500時間の業務削減を見積もっています」(北岡氏)。藤本氏も、「SAPを扱うERPチームにもテスト自動化を拡大する予定です。UiPathが提供するAI機能などを活用しながら、テスト自動化の対象範囲と本数を増やしていきたいと考えています」と意気込む。

安藤氏は「日本での基幹システムの更新に続き、2025年には欧米、2027年にはグローバルすべての基幹システムを置き換えます。UiPathを利用した業務効率化やテスト自動化も、基幹システムの更新に伴ってグローバルに展開していく計画です。海外は日本より手作業が多いケースもあり、日本と同様の生産性に引き上げていけるはず」と将来を見据える。新たな価値をつくり続けるサービス・ソリューションカンパニーへの挑戦を、UiPathのプラットフォームが支えていく形が明確になってきたようだ。

「業務プロセス全体を自動化するハイパーオートメーションが将来像です。UiPathをプラットフォームに採用し、グローバル展開を含めて企業ビジョン実現を支えます」

マクニカホールディングス株式会社

執行役員 CIO兼 株式会社マクニカ IT本部 本部長

安藤 啓吾氏

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