お客様株式会社オプテージ

業種IT

地方アジア太平洋&日本

社内導入で得たRPAの確固たるノウハウをお客様向けのサービスでも提供

株式会社オプテージ Main Image

関西エリアのご家庭向けの通信サービス「eo光」や、格安スマホサービスである「mineo(マイネオ)」、さらに法人向けの各種ITサービスなどを提供している株式会社オプテージ。RPAによる業務効率化のメリットを享受するユーザー企業としての顔と、法人向けにRPAを含めたITサービスを提供するというソリューションベンダーとしての二つの顔を持つ同社は、社内で蓄積したRPAの導入や活用に関するノウハウを顧客へのサービスにも反映させ、その価値をさらに高めている。

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Optage Case Study Solution Overview

【課題】情報通信企業としてのデジタルトランスフォーメーションへの取組み

株式会社オプテージは、ご家庭向けの通信サービス「eo光」や格安スマホサービスのmineo(マイネオ)、および法人向けの各種ITサービスなどを幅広く提供している関西電力グループの企業である。各種通信サービスを中心に提供してきた株式会社ケイ・オプティコムが、2019年4月、関電システムソリューションズ株式会社(現:株式会社関電システムズ)から一部事業を移管し、社名も株式会社オプテージとして、さらなるサービスの強化に取組んでいる。

通信サービスとともにITサービスも手掛ける同社は、かねてより自社でのIT活用にも取組んでおり、複数あるワーキンググループの一つとして2016年にRPAをテーマとしたチームを発足した。これは現場のメンバーを中心として研究と実践を行うボトムアップ的な活動で、のちにRPAの導入展開に関する取りまとめをおこなう事務局(Center of Excellence:以下CoE)としての役割も果たしている。

CoEのリーダーを務める経営本部コーポレートIT統括部IT管理チーム 柳沼亜香理氏は、次のように語る。「RPAはデータ分析やAIと並ぶ主要なワーキンググループの一つになりました。今年の2月には社内ポータルサイトに社長のメッセージが掲載されたことで全社的な認知もさらに向上し、いまではあらゆる業務に浸透してきていると感じています」 同社のRPAへの取組みは、ITサービス企業としての自社活用と、その先にある顧客への高品質なサービス提供を視野に、マネジメントによる後押しによって急速に全社的に広がっていった。

取締役 常務執行役員 経営本部長 河田 靖弘氏は社内での取組みの位置づけを次のように語る。「デジタルトランスフォーメーションについては、2019年4月に推進体制を整備し、全社的にさらに強力に進めています。その成果は自社のビジネスはもちろん、お客様へのサービスとして提供され、ますますその重要性を増しています」 通信事業者としての自社の業務効率化と、ITサービス企業としての付加価値の源泉として、RPA活用が大きな役割を担っていたのである。

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株式会社オプテージ 取締役 常務執行役員 経営本部長 河田 靖弘 氏

【ソリューション】RPAを活用するために適用業務を選定し、全社に利用を拡大

検証に向けてまず取り組んだのが適用する業務と使用するRPA製品の選定であった。適用業務の選定について、柳沼氏は次のように振り返る。「ワーキンググループにはすでに複数の適用業務の候補がありました。その中で、PoC(Proof of Concept:概念実証)のための業務として、同社の主力通信サービスである『eo光』の顧客に設置している機器の交換業務を選びました。機器の管理はサービスを支える重要な業務で、機器の老朽化などにより一定期間ごとに交換が発生します。もともと業務量が多いうえに、自社にも顧客にも自動化によるメリットが大きいと判断したからです」

この業務をRPAで自動化し、そのメリットを確認したが、製品選定については当初より固まっていたわけではなかった。「実はPoCでの検証はUiPathではなく、ほかのツールを利用しました。RPAの価値はPoCで実証できたと思います。しかし、製品については検討の余地がありました」(柳沼氏)

そこで採用する製品が再度検討され、新たな候補となったのがUiPathだった。PoCにて開発に関する知見を得た結果、より具体的な150を超える検討項目を定義、それに基づき製品比較を行った。たとえば、接続対象となるアプリケーションでのフィールドの値を取得する際に必要となるオブジェクトの認識範囲や精度があった。「オブジェクトの認識範囲の広さは、多くのメリットをもたらします。開発がシンプルになるのはもちろん、そのあとの保守まで考え合わせると非常に重要な項目です。UiPathはPoCで使用した製品に比べて150%以上オブジェクト認識において優れていました。もちろんそれ以外の項目に関しても対応範囲が広く、機能的な優位性は明らかでした」(柳沼氏) このような精緻な製品の機能比較を行った結果、UiPathが正式に選択されたのである。

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株式会社オプテージ 経営本部 コーポレートIT統括部 IT管理チーム 柳沼 亜香理 氏

【導入効果】高付加価値業務へのシフトと自社サービスの強化

PoCによる検証と製品選定がなされ、次に全社的な活用フェーズに入り、多くの部門や業務で活用されることになった。全社的な展開のプロセスは、「ワーキンググループをベースにしたCoEが各部門にヒアリングをし、対象業務を募りました。その中で費用対効果が高い業務を優先的にRPAの開発対象としてきました」(柳沼氏)

その中の代表的な業務が新規申込みの受付登録業務である。この業務について、コンシューマ事業推進本部 コンシューマ営業部 総合営業チーム チームマネージャー 平野 潤氏は次のように説明する。「RPAの対象業務は、当社が取り扱うサービスの新規登録業務です」

1件の申込みに対し複数の業務アプリケーションが関係するため、同じ情報を転記する作業が発生する。「転記を繰り返すという単純作業が多かったのですが、自動化により従業員のストレスを軽減するとともに、その時間をより付加価値の高い仕事に振り向けることができました。モチベーションの向上や働き方改革にもつながっています。またこの業務は繁閑差が大きく、要員の調整が難しいという側面がありましたが、その負担もRPAによって大きく軽減されました」(平野氏)

適用業務が増えると同時に蓄積されてゆくノウハウは、同社にとって大きな資産となっている。「当初のRPA導入に関しては、その開発からテスト、本番導入まで3か月から場合によっては半年程度かかることもありました。また、実際に利用してみて気づく修正も多くありました。展開を続ける中で、どのような点が問題になりやすいかなどのチェックポイントが明確になり、多くのロボットを安定稼働させられるようになりました。いまでは開発から導入の期間を1か月から1か月半程度まで短縮することもできました」(柳沼氏) 同社ではすでに18部門34チームにおいて展開されており、年間70,000時間を超える工数削減を達成している。新規の開発は各部門からフォームによる申請を行い、費用対効果を勘案しながら開発を行っている。蓄積された技術的ノウハウや導入や運用に関する知見は、同社が提供するサービスにも反映され、すでに10社を超える顧客にも提供され、好循環を生み出している。

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株式会社オプテージ コンシューマ事業推進本部 コンシューマ営業部 総合営業チーム チームマネージャー 平野 潤 氏

【今後の展望】顧客のデジタルトランスフォーメーションを自社のノウハウで支援

すでに大きな成果を上げている同社のRPA活用であるが、河田氏は今後の展望を次のように語る。「すでに既存の業務をベースにしたRPAでの効率化には成功しています。次のフェーズでは、業務プロセス自体を見直すBPRと組み合わせ、部門にまたがる業務などの効率化に取組み、通信サービスという競争が激化している市場において、お客様に提供する付加価値の向上に注力していきたいと考えています」

さらにITサービス企業としても、社内で蓄積されたノウハウを顧客に積極的に提供したいと強調する。「お客様のデジタルトランスフォーメーションの支援は重要なミッションです。RPAと同時に進めているデータ分析やAIのワーキンググループの成果に加え、今後インフラが整ってくる5GやIoTなどを組み合わせてビジネスを創出するための要素として位置づけています」(河田氏) RPA活用による高付加価値業務へのシフトにより、通信サービスにおける競争力の向上させるとともに、ITサービスを含めた同社の総合的な付加価値の向上を見据えている。

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