お客様SCSKサービスウェア株式会社

業種IT

地方アジア太平洋&日本

BPO業界の変革。RPAの本質的な価値はサービス品質の向上

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「IT」と「業務」を組み合わせてコンタクトセンター、バックオフィス業務などのBPOサービスを提供するSCSKサービスウェア株式会社。これまでにも業務プロセスを徹底的に効率化させる独自のノウハウを駆使し、BPO業界で確固たる地位を確立してきた。そこから更にBPOサービスに求められる業務のスピードと正確性を追求することで、BPO業界のリーダーとしてさらなる高みを目指していく。

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【課題】人的リソースを省力化し、業務スピードと正確性の向上を追求

SCSKサービスウェア株式会社は1983年の創業以来、コンタクトセンターやヘルプデスクなど企業の内部では対応しきれない業務や、専門性をもった業務を請負うBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業を日本全国に展開している。大手システムインテグレーターであるSCSK株式会社のグループ企業である同社は、「IT」と「業務」の密接な関わりに精通しており「ITをどう活用すべきか」、「システムはどうあるべきか」など、業務プロセスの視点からITを捉えることで顧客のニーズに素早く対応し、付加価値の高いBPOサービスを行っている。

しかし、昨今の急速なデジタル化への進化や生産年齢人口の減少による労働力不足への対応を背景に、BPO事業を取り巻く環境は大きく変化している。BPO業界が抱える課題について、常務執行役員 秋山 敦司氏は次のように語った。「BPOサービスに求められるのは、業務のスピードと正確性です。これまで徹底的な業務プロセスの見直しと個々の能力を上げることでそれに対応してきましたが、この手法には限界があります。社会的な問題を背景に人の採用も難しくなってきたこともあり、人的リソースを可能な限り省力化しつつ、これまで以上に業務スピードと正確性を向上させることが必要となってきています。そこで、この課題に対してRPAで自動化することで劇的に変化させることができるのではないかと考えました」

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SCSKサービスウェア株式会社 常務執行役員 秋山 敦司 氏

【ソリューション】導入の決め手は「グローバルシェア」、「API連携」と「管理機能」

上記課題からRPAの検討を開始した2017年に、RPAを推進する組織作りと併せて製品選定が行なわれた。まずRPA推進チームは、全国15拠点より各拠点2,3名ずつ選抜され、業務スピードと正確性を向上させるため、実際の業務の中でどのようにRPAを活用できるかの議論が行われていった。そして製品は、その選定ポイントについて秋山氏は次のように説明する。「当社にはグローバルに事業を展開する大企業のクライアントが多いことから、グローバルに対応した製品であること、またグローバルで大きなシェアを持っていること、より業務を効率化するためにシステムとのAPI連携ができること、野良ロボットを蔓延させないための管理機能をもっていること、これらすべてを加味して検討した結果、条件を満たすのはUiPathでした」

そしてUiPathの採用が決まり、RPAを全拠点に展開するべく2018年、研修会を実施した。研修会は第二事業本部 第一事業部 担当部長 藤澤 英治氏が中心となり、全国15拠点から集められた推進チームのメンバー約40名に対して行われていった。この研修の目的について、藤澤氏は次のように説明する。「まずはじめに、RPAに取り組む価値を社長から話していただくことで各々に動機付けをし、その後、UiPathアカデミーから抜粋した資料やハンズオンを含め、計4日間の研修を行いました。その後研修を受けたメンバーが各拠点に戻り中心となって、各拠点でトレーニングの役割を担っていくことで全社的にRPAを浸透させることが目的でした」 結果、40名の研修を受けたメンバーが中心となって研修開始からわずか1年という速さで、全国の各拠点から約220名のUiPath Foundation資格取得を達成した。また、同時期にUiPathのトレーニングパートナーとして外部向けにトレーニングを始めた同社は、そのトレーニング動画を共有し、社内での学習環境を充実させた。さらには毎年開催している社内アワードにRPA部門を導入するなど、その業務改善に向けた活動の手を緩めることはなかったという。

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SCSKサービスウェア株式会社 第二事業本部 第一事業部(新宿/岩手/島根センター) 担当部長 藤澤 英治 氏

【導入効果】RPAの価値は社員の意識改革とサービス品質向上

全社的な広がりをみせるRPAの展開は、各拠点においてそれぞれが抱える請負案件に適応している。その一例として、損害保険ジャパン日本興亜株式会社 (以下、損保ジャパン)の自動車保険のBPO案件が挙げられた。業務の内容についてプロジェクトを担当する第一事業本部 第一事業部 第二課 齋藤 高広氏は、次のように説明する。「自動車保険料の見積り試算結果をメールで送付する業務を行っていますが、大切な個人情報を取り扱う業務なのでセキュリティ事故を起こさないために1台のPCに管理者2名が着席し、氏名・送信先・見積り内容に至るまで、すべての項目を慎重に確認する必要がありました。RPA化にあたって業務プロセスの再構築を行い、納品スピードが上がり、業務品質を大幅に向上させることができました」 また、同プロジェクトでインフラ、RPAの開発を担当する第一事業本部 第一事業部 第二課 横川 佳洋氏はUiPathのさまざまな資格を保有する同社において、RPA開発を牽引する人物の1人だ。横川氏はRPAの価値について次のように語った。「最初はRPAでの自動化は必要ないと思っていました。なぜならVBAで十分効率化できると考えていたからです。しかし、実際RPAを使ってみると異なるシステムを跨ぐ処理もでき、それはとても(RPAの価値として)大きかったです」損保ジャパンにおいても、専用のシステムから受信したデータをCRMツールに連携するなど異なるシステムにおける自動化を実現し、業務スピードと正確性の向上に大きく貢献している。

加えてRPAの導入の大きな価値として「社員の意識改革」をあげている。RPAによって業務効率化が実現され社内に成功事例が共有されていくうちに、各部門、個人レベルで、自分の業務にどうやってRPAを適応できるかという視点に意識がいくようになったという。また情報セキュリティの観点からRPAを導入することで、情報漏洩対策によるセキュリティレベルを高め業務のスピードと正確性が上がることを実感したという。(齋藤氏)

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SCSKサービスウェア株式会社 第一事業本部 第一事業部(横浜センター) 第二課 齋藤 高広 氏

【今後の展望】AI-OCRとの連携、全拠点のRPA活用の底上げで今以上の品質向上を目指す

このように各プロジェクト単位で大きな成果を上げている同社ではあるが、今後のさらなる業務効率化についての計画にも余念がない。2018年にRPAの研修を全社的に行った同社ではあるが、その活用方法の深さにはまだまだ拠点間でばらつきがあると秋山氏は説明する。「RPAを活用している領域はレポート作成などのお客様の直接業務より、その周辺業務が多いのが現状です。これから社内の具体的な成功事例をフル活用することで、直接業務もRPAで自動化を目指していきたい。またRPAの研修など、教育を再強化し、会社全体の底上げを図ってレベルアップしていきます。そうすることでさらに、業務品質を向上させられると考えています」 同社のITを活用して業務を効率化していく妥協のない取り組みは、従業員をより高付加価値の業務へシフトさせ、大きな実績とともに顧客ニーズに合わせたBPOサービスに良い変革をもたらすだろう。

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SCSKサービスウェア株式会社 第一事業本部 第一事業部(横浜センター) 第二課 横川 佳洋 氏

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